人類進化の700万年―書き換えられる「ヒトの起源」

人類進化の700万年 (講談社現代新書)

科学部の新聞記者である作者が一般の人向けに人類の進化についてわかり易くまとめられた本。
人類が直立二足歩行を始めた環境は実はアフリカ大地溝帯東部の草原環境ではないらしい、最古の原生人類は約２０万年前にまで遡ることができる、ホモ・エレクトスの末裔が１万８千年前まで存在したなど、２１世紀になって得られた最新のデータを元に述べている。一方、脳の拡大、石器の使用、言語の発生、芸術の誕生といった人類史のトピックが一体何時ごろ起こったのかなどの進化史にまつわる話題も抜かりが無いです。
個人的には最６章の遺伝的見地からの情報が興味深かった、言語能力を司るかもしれないFOXP2が他の霊長類とどう異なるか、ビタミンＣを合成できなくなっり、色覚が復活したのは何時ごろのことかなどなど。