hakeの日記

Windows環境でプログラミングの勉強をしています。

ドゥームズデイ・ブック

タイムトラベルが可能になった近未来のオックスフォード大学、史学部初の中世の実地調査のため女性研修生を1320年に送り込む。だが転送作業が済んだ直後に転送技術者が急病で倒れ、一方中世に送り込まれた研修生も病に倒れてしまう……


読み終わった!と満足感を持っていえる分量、週末を挟んでやっと読み終えました。しかしこの分量にも関わらず一気に読み終えしまいたいと思えるほどの面白さでした。
現代パートと中世パートが交互に描かれる構成、現代では技術者が危篤状態の為に不明になった研修生の転送先の時代を決定しようとするも伝染病の隔離政策と無能な上司の為に難航、中世パートでは村の領主の館で介抱される回復するが女性の社会的立場という障壁に阻まれて転送位置を尋ねることができない、このへんの読み手への焦らし方が実に上手です。そして現代パートで転送先の時代が確定しその結果に驚愕しているときに中世パートでは災厄の兆候が次々と発生、そう14世紀ヨーロッパといえばあれです。
他の方の感想を拝見すると展開が遅すぎというのがありましたが、自分は楽しく読めました。特に中世の農村の生活が詳細に描写されているのが良かったです。しかし中世英語っていうのは本当にあんなのだったのでしょうかね、まったく理解不能ですな。
ラスト直前、中世の冬の夕刻、無人の村に響き渡る教会の鐘のシーンが非常に印象的でした。